会えない時間が

「会えない時間が愛を育てる」

一時期の辰巳くんの口癖。最近は公演がストップすることも少なくなったからあんまり聞かなくなったな。

 

気にしいで心配性な彼が発する言葉はいつも、自分に言い聞かせるみたいだなと思っている。こちらにしっかり届いているから独り言ではないんだけど、いま自分が欲しいんじゃないの?ってワードが並んでる気がする。そっくりそのまま返したくなる。

なんだかんだその気にしいさんに救われまくっているわけだが。

 

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4人舞台が初めて長期間休演になった。

個人舞台では悔しくも休演や公演中止を幾度か経験している。しかし、やはり慣れない感覚だなと思う。いやこんなの慣れちゃいけないんだけど。

去年の夏も2公演中止にはなったが、どちらも翌日には再開した。演者のプロ根性を感じた瞬間だった。

 

今年は急な5日間の休演、なんとなく満喫してそう休めてそうだなあって人もいれば、何度も謝罪してる方もいてどうしようもなく虚しくなった。私は無力だなと情けなくなった。誰も悪くないからこそ、なんだかやるせない気持ちになる。いっそ誰かを責め立てられたら楽になるのかって、そういう話ではないけれど。

 

 

生のエンタメを上演し続ける難しさってなんだろうね、万人受けすること?協賛してくれる人がいるかどうか?客席が全部埋まるかも評判も気になるところではあるよね。

でも私は、演者が怪我も病気もせずに走りきることだと思う。その瞬間、目の前でだけ繰り広げられる世界に必要不可欠なのは、他でもなく演者のみなさんなんだよな。

 

自らの身をもって世界観と熱量を浴びる、劇場という空間がだいすきだ。そこに命懸けで立ち続けてくれている人達も、演者の裏で作品を愛して動いてくれているみなさんも。ついでに、その全てを好きでいれている自分も悪くないなと思う。

 

 

会えない時間は、様々なものへの感謝や思いやり。当たり前に持ち合わせているはずの純粋な気持ちをさらに育ててくれる。もちろん、ふぉ〜ゆ〜へのまっすぐな愛も。

 

クリエ港からの再出航。

もう荒波で途中停泊することなく、名古屋までの長い旅路をみんなが楽しめますように。